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更新日:2013年9月1日

浜松市における外国人市民のメンタルヘルス実態調査

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日本語版(PDF:29KB)
日本語ルビ付版(PDF:53KB)
ポルトガル語版(PDF:59KB)

1. 調査目的

平成20(2008)年後半から深刻化した経済状況の悪化に伴う、浜松在住ブラジル人市民のメンタルヘルスの実情や傾向を把握し、こころの健康の維持や自殺予防など総合的な自殺対策を推進するための基礎資料として活用することを目的とした。

2. 調査対象

(1)質問紙調査
浜松市に外国人登録をしている16歳以上のブラジル人男女のうちから無作為抽出された5,000人。

(2)個別面接調査
質問紙調査で個別面接調査に同意した方のうち26名。

3. 調査方法

(1)質問紙調査
無記名自記式質問紙調査票を郵送法にて実施した。調査票はポルトガル語版とルビ付き日本語版の2通を送付した。調査期間は平成21(2009)年12月1日~14日であった。

(2)個別面接調査
対象者は、男女、日系か非日系か、来日後の自殺念慮の有無の観点で選定した。対象者へ連絡を取り日程調整を行い、来所による面接調査を実施した。面接は半構造化面接法で実施した。調査期間は平成22(2010)年1月~2月であった。

4.調査項目

(1)質問紙調査

  1. 個人属性
    性別、年齢、出生国、居住行政区、在留資格、配偶状況、国籍(本人、配偶者)、世帯人数、同居者の有無と内訳、子どもの有無と人数、来日年月、通算来日回数、帰国の頻度、日本での滞在年月、第一言語と日本語能力、地域行事や団体活動への参加、近隣ネットワーク、居住形態、最終学歴、就労状況、個人の平均月収、1年間の世帯収入
  2. 健康に関すること
    主観的健康感、2年前(2007年12月頃)との健康状態の比較、症状の有無と通院の有無、抑うつ状態(CES-D)、アルコール依存(CAGEテスト)、1年間の悩みやストレスの有無、悩みやストレスの原因、相談相手(情緒的サポート、道具的サポート)、相談することへの意識、ストレス対処、うつ病のイメージ、不眠時の受療行動と受診しない理由、相談機関の認知度
  3. 自殺に関すること
    来日してからの自殺念慮の有無、自殺念慮の理由、自殺念慮者への対応
  4. 自由記述

(2)個別面接調査
ライフヒストリー、来日の経緯、家族構成、経済危機前後の仕事と家族生活に関する変化、子どものことと今後の日本での滞在、人間関係・団体・行事への参加、アイデンティティ、日本語学習、多文化ストレス

5.結果

(1)質問紙調査

  1. 回答率
    5,000件を郵送し、転居等で915件(18.3%)の未達があった。配達されたと考えられる4,085件のうち回収数は721件、回収率は17.6%であった。721件のうち、日本語版での回答は70件(9.7%)であった。
  2. 個人属性
    回答者の性別は、男性378人(52%)、女性343人(48%)となっており、ほぼ半数ずつであった。年代は、40代が最も多く30%、次いで30代が27%であった。在留資格は、永住者が最も多く67%あった。日本での滞在年数は、15~19年が最も多く36%、次いで10~14年が29%であった。10年以上の滞在者は70%を占めた。
    地域団体・活動への参加については、半数近くが宗教団体の活動に参加していた。次いで、学校の保護者会、地域の行事、母国人同士で開催する行事に4割近くが参加していた。就業状況は、間接雇用(派遣・請負)が最も多く37%、次いで直接雇用(正社員)が18%、無職(求職中)が17%、直接雇用(パート)が11%であった。
  3. 健康に関すること
    現在の健康状態では、「普通」との回答が最も多く45%、「とても良い」「まあ良い」は43%であった。2年前との比較では、「同じくらい」との回答が最も多く69%であったが、一方「悪くなった」との回答は17%であった。抑うつ状態(CES-D16点以上)にある人は約3割であった。性別では、男性に比べて女性に抑うつ得点が高く、年代では、30代や40代に比べて20代以下は抑うつ得点が高かった。また、相談相手が親族である方が、抑うつ得点は低かった。雇用形態では、無職(求職中)が、他に比べて抑うつ得点が高かった。
    この1年の悩みやストレスの有無について、「よくあった」が19%、「たまにあった」が42%であり、その内容は、経済問題が最も多く69%、次いで家庭問題が43%、勤務問題が41%であった。相談相手がいるとの回答は、情緒的サポートでは94%、道具的サポートでは81%であった。相談相手は、配偶者、自分の親、兄弟姉妹、同国人の友人・知人が多かった。また、相談相手に関して親族・知人共にいる場合が32%、親族のみが41%、知人のみが12%、どちらもいない場合が15%であった。
  4. 自殺に関すること
    来日してからの自殺念慮の有無については、「あり」62人(8.6%)「なし」602人(91.4%)であった。自殺念慮の理由(複数回答可)として最も多かったのは、人間関係が40%、次いで家庭生活34%、恋愛関係31%、経済的な問題31%であった。
  5. 自由記述
    自由記述の記入は112件(15.5%)であった。内容により分類すると、「こころの健康に関する意見」が65%と大半を占めた。その内訳では、人間関係に関するもの(人間関係の希薄さ、孤独、日本社会側の問題点など)が17件、信仰(神への信仰で困難を乗り越えられる、自殺は罪など)が14件、医療(精神科医やカウンセリング専門家へのアクセス情報、受診の無料化など)が13件、その他(健康保険加入、職場でのカウンセリング、電話相談など)が26件であった。

(2)個別面接調査
対象者28名のうち、2名が参加を断り、残りの26名に調査協力の承諾を得た。面接では、ブラジル人のメンタルヘルス専門家が60~120分の個別対面調査を実施した。労働環境と言語や文化の違いによるストレス、経済的な問題による家族関係の悪化、医療受診の問題などが語られた。自殺念慮者が自殺を考えるように至った要因は複数であり、自殺を考えたことのない人も日常生活で何らかのストレスを感じていた。そこから母国語による心理的支援、コミュニティ全般に向けての啓発の必要性が示唆された。

6.考察

経済危機下での失業や収入減が背景にあるものの、複合的な要因により精神的なストレスを負っている人の存在が明らかになった。また、これまではブラジルへの帰国をこころの拠り所として日本での窮状を耐える傾向もあったが、本当に帰国するか否かの決断に直面すると、帰国という選択肢を選ぶのは現実的には困難な場合もあり、これまで以上に閉塞感や絶望感を感じている状況も認められた。自殺念慮については平成20(2008)年度の日本人市民調査と同様の結果となった。この調査をもとに、浜松市では平成22(2010)年7月にポルトガル語によるメンタルヘルス相談窓口を設置した。今後も調査結果の詳細な分析を行い、より実態に即した自殺対策事業を展開する必要がある。

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