更新日：2022年3月30日

第2章 地域の現況把握(5)

2-5　農村環境に対する市民の意識

計画の策定にあたり、農業・農村の持つ役割や身近な環境、これからの環境づくりなどに関する基礎資料を得ることを目的として、市民や農業関係者の方からご意見をいただくためにアンケート調査を実施しました。ここでは、調査結果の概要を示します。

表2-7　調査方法

区分	市民アンケート調査	専門家アンケート調査
調査対象	浜松市在住の15歳以上の市民	地域の農業・農村環境と関わりのある専門家や関係者団体
標本数	4,000人	166人
抽出方法	地区別による無作為抽出	市内の学校教師、土地改良区、市民活動団体、農業委員、青年農業士、名誉農業経営士、農業経営士、農山漁村ときめき女性代表者、農地・水・環境保全向上対策の活動組織
調査方法	無記名自記式 郵送による配付、回収	記名自記式 郵送による配付、回収
調査期間	平成21年10月16日～平成21年11月6日	平成21年11月4日～平成21年11月20日
回収結果	1,202人（回収率30.1％）	98人（回収率59.0％）

（1）農業・農村の持つ役割について

• 満足度：「食料供給の場として」の満足度は高いが、「メダカやホタルなど身近な生物を育む場として」や「健康づくりや休養等のレクリエーションの場として」の満足度は低い。
• 重要度：「食料供給の場として」「水や空気をきれいにしたり地域の温暖化を抑制する場として」「メダカやホタルなど身近な生物を育む場として」の重要度が高い。

図2-20　農業・農村の持つ役割

（2）身近な環境について

1）身近な動植物の状況

• 分からない、知らない：「タイコウチ」「ブルーギル」「ヤリタナゴ」「カワニナ」「コアジサシ」などが分からないと答えた人が多い。年代による差が大きく、特に若年層で分からないと答えた人が多い。

図2-21　分からない、知らない身近な動植物

 

• 以前よりも見られない（減ったと思う）：「ゲンゲ（レンゲ）」「アキアカネ（アカトンボ）」「カブトムシ」「オニヤンマ」「メダカ」などが減ったと感じている人が多い。

図2-22　以前よりも見られない身近な動植物

（3）農村にある資源について

• 自然環境：「浜名湖」「中田島砂丘」「天竜川」「天竜の森林」「阿多古川」などを誇りに思っている人が多い。
• 農地・里山：「三ヶ日のみかん山」「山間地の棚田・段々茶畑」「身近な水田・水路」「三方原台地の畑」「旧街道（東海道・姫街道）沿いの農地」などを誇りに思っている人が多い。
• 農村の祭り・伝統行事：「遠州大念仏」「地域の祭り」「横尾歌舞伎」「西浦の田楽」「寺野・川名のひよんどり」などを誇りに思っている人が多い。

図2-23　農村環境にある資源

（4）農村環境に関する問題点と改善方法ついて（専門家調査のみ）

• 「森林や農地の減少や荒廃」、「身近な生き物の減少」、「池や川・水路などの汚れ」などに問題があると感じている人が多い。

（5）これからの農村の環境づくりについて

1）行政に期待する取組

• 「農林業を支援することを通じて農地や森林を守る」「川や水路、池を保全し、また親しめる水辺を増やす」「開発を制限したりして農地や森林を守る」「水路や池などの整備は、できるだけ自然に近い工法で行う」「水をきれいにするため下水道や合併浄化槽の普及などを進める」などに期待する人が多い。

2）市民活動への参加意向（市民調査のみ）

• 「市民農園や家庭菜園などでの野菜づくりや花づくり」「草刈りや清掃活動などの環境保全活動への参加」「自然観察会など自然とふれあうイベントへの参加」「子どもに農業体験や自然観察会へ参加させたい」「地域の伝統文化行事などへの参加」などへの参加意向が多い。

 

図2-24　市民活動への参加意向

（6）自由意見

• 「農業振興」や「担い手育成・後継者対策」、「耕作放棄地対策」の必要性に関する意見が多い。

 

 

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