更新日：2023年12月1日

新規採用職員辞令式

平成30年4月2日

本日より浜松市の職員となられる皆さん本当におめでとうございます。

皆さんに心から歓迎を申し上げます。

「市民への約束」の冒頭に掲げてあるように、市役所というのは市民の皆さんのお役に立つところです。この一言につきると思います。市民の皆さんへの奉仕者として、これから皆さんには様々なお仕事をしてもらうことになります。多くの市民の皆さんにとって唯一の行政との接点が市役所です。県あるいは国と一般の市民の皆さんが直接繋がることは、ほとんどありません。具体的な行政サービスはほとんど市が提供しています。それだけ、ここにはリアルな現実があります。いろんな取組をすると具体的な成果が目に見えて現れますので、やりがいもありますが、逆に言うと大変です。いろんな意見や要望が全部私どものところに参ります。多くの市民の皆さんにとって私どもが窓口だと思われています。これから皆さんも、市民の皆さんから要望や意見を言われることもあります。これは結構大変ですが、逆に言うと多くの市民の皆さんにとって頼れるのは市役所だけだということを考えれば、まさに相手の立場に立って市役所とは市民の皆さんの役に立つところであるということを実践していただきたいと思います。

それから、浜松市はご存知のとおり政令指定都市に合併を経て移行をいたしました。政令指定都市の職員であるということに誇りを持っていただきたいと思います。政令指定都市は20しかありません。大都市の代名詞であり、そうした政令指定都市の仲間入りをしたのが浜松市です。浜松市はその中でも、特に大きな特徴を持っています。県庁所在地でもなく、また大都市圏に存在している都市でもないということです。県庁所在地であれば、静岡県でいうと静岡市の様に県都であるということで人・もの・お金が集まってきて、発展が約束されます。ですから多くの政令指定都市は県庁所在地です。あるいは大都市の近郊で発展してきた都市もあります。浜松市のように県庁所在地でもなく、また、県の一番端っこで、周りに都市の発展を牽引してくれる大都市もない中で、自立的に発展をして政令指定都市までになったという都市は他にありません。先人の皆さんの「やらまいか精神」に感謝をすると同時に、そういう都市の職員であると誇りを持って仕事をしていただきたいと思います。

ただ、浜松市は政令指定都市と言っても、決して大都市ではありません。そこは横浜や名古屋、大阪などと違うところではあります。横浜には過疎地はありませんが、浜松はまだ半分くらい過疎指定を受けています。国土縮図型都市と言われるようにまさに日本をぎゅっと縮めたような都市です。面積は伊豆半島より大きいです。全国2番目ですけども、人が住んでいるという点では、間違いなく日本一の面積を持つ都市です。ですから、浜松市の都市経営が上手くいけば全国のモデルになります。そういう気構えを持って市政に望んでいただきたいと思います。

さて、これからの時代は結構大変な時代が来ます。皆さんご存知のとおり、いよいよ日本は人口が減っていくという時代になりました。また、かつてのような高度成長の時代でもありません。成長がある意味ストップしているような状況です。こうした状況は、実は地方に大きな影響が出てきます。すでに始まっていますが、これから更にいろんな都市間競争が激しくなっていきます。頑張るところは繁栄するし、そうでない所との差が付いてくるということで、我々もしっかりと負けないように取り組んでいかなければいけません。

また、これから皆さんが生きていく時代は恐るべき変化の時代と言われています。ご存知のとおり人口知能AIがどんどん進化をしておりまして、近い将来、今ある職業の半分が無くなると言われております。当然ですね、こういう変化は我々行政にも影響が出てくるわけです。インターネットとAIが進んでいけば、おそらく行政手続の窓口業務もいずれはほとんど無くなってくるのではないかと思います。あるいは相談などもAIを搭載したロボットが進化をすれば、人間に相談するよりはるかに正確に市民の皆さんの相談に応じられるなど相談業務が変わってくるかもしれません。いずれにしましても大きく考え方を変えていかなければいけない時代が来ます。私たちも考え方や仕事の仕方を問われる時代が来ます。かつて公務員というのは右肩上がりの時代は黙っていても税収が増えますし、あまり新しいことにチャレンジしなくても前例に乗っ取ってきちんと間違いなく仕事をしていくことが良いと言われてまいりました。むしろ余分なことをして失敗でもしようものなら逆にそれがマイナスだという時代もあったわけです。しかし、これからは逆に前例にとらわれるとつまずく時代が来ます。ですから常に時代の変化を先読みし、新しいことにどんどんチャレンジしていく。そういう気構えと行動力を持つそういう公務員が、これからは良い公務員だと、優れた公務員だと評価される時代が来ると、すでに来ていると私は思っています。

人口が減っていくというのは残念ながら受け入れていかなければなりません。当分の間、いかに出生率を上げていったとしても人口は減り続けていきます。浜松市も人口ビジョンというのを作りました。一番いいシナリオでいっても、中長期的には人口60万人位まで減ります。今、掲げている目標の実現に失敗すれば60万人を大きく割り込むという結果が出ています。少なくとも60万人ですから今より20万人位は人口が減ることは覚悟しないといけないです。そういうことを前提に、これからいろいろと物事を組み立てていかなければなりません。ですから日本も人口が減っても活力を失わないように地方創生という取組が行われています。私は良く申し上げますが、地方創生は、知恵を出し、汗もかいて自らの力でその地域を元気にしていくことだと思っています。ある意味その最前線に立つのが私どもでありますから、我々は人一倍知恵も出し、汗もかいて地域を元気にしていかなければならないと思っています。知恵というのは現場にあります。ですから、これから皆さん現場を大事にし、そこにあるいろんなヒントから知恵を出し、是非浜松をもっと元気にしていただきたいと思います。人口減少や高齢化など大変厳しい時代が直面している日本、浜松でありますけどもそれを乗り越えて浜松が活力を失わず持続可能に都市経営していけるかどうかは皆さんの双肩に掛かっていると言っても過言ではないと思います。

皆さん、是非、浜松の将来を自分たちが背負って立つんだという気構えでこれから頑張っていただきたいと思います。結びにこれからの皆さんの活躍と大いなる飛躍を心から期待いたしまして挨拶といたします。共に頑張りましょう。