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更新日:2023年12月1日

市長コラム(平成27年11月)

風が吹けば桶屋が儲かる

「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざをご存じでしょうか。ある事象が、全く関係がないと思われる場所や物事に影響を及ぼすことの例えです。現在、このことわざのような取り組みを行なっています。

合併した浜松市には、市域面積のおよそ7割を占める膨大な森林資源があります。この森林資源の多くは「天竜材」と呼ばれ、一時は天竜地域を中心に、林業で大変潤っていた時期があります。しかし安い外材が大量に輸入されるようになり、木材価格の下落とともに林業はすたれ、低迷の時期を迎えました。

この林業を再び復活させることが、中山間地域の活性化のみならず、森林環境保全のためにも必要です。そこで浜松市では、林業再生に向けた取り組みを進めていますが、その決め手は「育てる林業」から「売る林業」への転換です。林業がビジネスとして成り立っていかなければ、森林を守る担い手も育ちません。

売るためには、天竜材をさらにブランド化し、付加価値を高める必要があります。そこで私たちが目をつけたのが「FSC(R)」と呼ばれる国際的な森林認証です。FSCとは、森林管理協議会の略称で、ドイツに本部を置く森林認証機関のことを指します。この機関は、環境に配慮し、きちんと管理された森林のみを、FSC認証林として認証します。その基準は大変厳しく、簡単に認証は受けられません。

しかし幸いなことに、天竜の森林はよく管理をされているため、認証が順調に進み、今では4万3000ヘクタールにまで拡大しています。これは市町村別で、日本最大です。認証取得の次は、その活用ですが、大きな追い風となりそうなのが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックです。

欧米では、認証林から切り出されたFSC材は高く評価をされていて、バンクーバー大会以降、オリンピックの施設や紙類に、FSC材が利用されるようになりました。ロンドンオリンピックでは、ほぼ100%近くFSC材が使用され、これを契機に、イギリス国内で急速に普及しました。オリンピックでのFSC利用方針は、リオデジャネイロの大会にも継承されます。

さて、リオの次は東京大会ですが、既に「環境」を前面に打ち出した大会にするという方針が発表されています。となれば、東京大会でFSC材を使わなければ、国際社会から笑われてしまいます。

そこで私も昨年から、政府や東京都に対し、FSC材利用についてアピールを行っています。その結果、ずいぶんFSCに対する認識が進んだと思います。併せてFSC認証林を保有する自治体に呼びかけ、推進協議会も設立しました。今後さらに運動を強化してまいります。

「オリンピックを利用し、天竜の山を宝の山にする」。首尾よくいけば、まさに「風が吹けば桶屋が儲かる」です。

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